海外展
2013年 パリ展―秋展―
名 称
「現代日本の書 代表作家パリ展 SHO2」
(通称 パリ100人展)
会 場
フランス国立ギメ東洋美術館
(パリ市内)
ギメ美術館とは?
会 期
2013年10月23日~2014年1月13日
(火曜日休館)
主 催
フランス国立ギメ東洋美術館
一般財団法人毎日書道会
共 催
毎日新聞社
後 援
在仏日本国大使館


「現代日本の書代表作家パリ展 SHO2」――華やかに開幕―― 毎日書道会

開会式は現地時間の同22日午後6時から、同美術館ホールで開かれた。現地の美術関係者や現地メディア、日本の報道各社を含む約270人が見守る中、毎日書道会の5人の理事・監事による席上揮毫でスタートした。辻元大雲実行委員長(理事)の司会進行で、仲川恭司理事の「龍」を手始めに、松井玉箏監事があでやかな和服姿で筆を操り、大字かなを披露。続いて石飛博光理事、船本芳雲理事、中原茅秋理事が登壇して運筆の妙を見せ、中原理事がフランス語で「平和」としたためるなど次々に作品を仕上げると、会場から大きな歓声と拍手が沸きあがった。
このあと、同書道会理事長の朝比奈豊毎日新聞社社長が立ち「この書道展を機に日仏交流が新たなステージに立つことを期待します」とあいさつ。在フランス日本大使館の森川徹公使参事官も「フランス全土に現代の日本の書を紹介し、広めていただきたい」と激励。フランス政府を代表して文化通信省のノエル・コルバン次官補が「(著名なフランスの思想家)ロラン・バルトは、『普遍的で生き生きしている書は、世界芸術に大きな影響を与えた』と言っています。今回の書展は、生き生きしていることと、日本文化の高さを見せてくれます」と祝辞を述べた。午後7時過ぎからは、ホールに入りきれなかった参加者も加わり、カクテルパーティーに移った。


同23日から一般公開も始まった。今回の出品者は毎日書道会の顧問、理事、監事、総務、評議員や毎日書道展審査会員から選抜された100人。美術館の外壁や地下鉄などには辻井京雲審査会員の作品をあしらったポスターがはられ、館内には辻元委員長が書いた大型垂れ幕が下がって、雰囲気を盛り上げている。2階の展覧会場には「現代の書」を標榜する毎日書道展の、漢字▽かな▽近代詩文書▽大字書▽刻字▽篆刻▽前衛書の7部門の作品が所狭しと陳列され、カメラを手にしたファン、連れてきた幼児に説明するお母さん、立ち止まり見つめ続けるカップルが熱心に見入っていた。中には昨春展のリピーターも。パリ入りした訪問団も開会式前後に鑑賞し、感慨深げな表情だった。

午後からは、鬼頭墨峻総務、下谷洋子評議員、柳碧蘚総務の順で席上揮毫。朝比奈理事長や美術館のソフィー・マカリウー館長も最前列に並んで鑑賞した。揮毫会後は、3人の書家とフランスの見学者との対話時間。墨の種類や文字のレイアウトなどについて熱心な質問が飛び、3人が丁寧に答えていた。こうした書道交流は11、12、1月にも行われる予定だ。
パリ展開催に合わせて23日、フランス国立図書館旧館1階で同館収蔵の「温泉銘」の特別鑑賞会も行われた。訪仏団のほぼ全員が一日がかりで順番に閲覧した。貴重な機会だけに、できる限り顔を近づけ息をのんで見つめる人、ハンカチを口に当てて立ち尽くす人、言葉を交わしながら見直す人。同図書館のナタリー・モネ学芸員は、一糸乱れぬ見学態度や「温泉銘」に対するひたむきな思いに、「皆さんこんなに熱心に鑑賞していただけるなんて。こちらが感動しました」と、興奮を隠しきれない様子だった。
